こんにちは。宮崎の社会保険労務士、宇都陽一郎です。
新しい年を迎え、皆様いかがお過ごしでしょうか。中小企業の良さは、経営者と従業員の距離が近く、お互いの状況を察し合える『一体感』にあると思います。そんな顔が見える関係性だからこそ、誰かの不在をみんなで補う仕組みが、より大きな安心感へと繋がるはずです。
特に、これから育児休業に入る予定の従業員がいらっしゃる場合、「現場を支える他のメンバーへの配慮」は、経営者の皆様が最も頭を悩ませるところではないでしょうか。
今回は、周囲の従業員さんに「手当」を支給して業務をカバーする際に活用できる、両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)について、実際に受給できる助成額のシミュレーションを中心にお伝えします。

※両立支援助成金支給申請の手引(2025年度版)より
具体的な受給額のシミュレーション
例えば、2026年5月から1年間の育児休業(育休)を取得する従業員さんがいるケースを考えてみましょう。
残された3人のメンバーがその業務を分担し、会社がそれぞれに月額4万円の「業務代替手当」を支給する仕組みを整えた場合、国から支給される助成金の目安は以下の通りです。
1. 毎月受給できる金額(手当支給分)
この助成金は、会社が支払った手当の4分の3(中小企業の場合)が助成されます。
- 月額の助成額:90,000円 (計算式:3人分合計の手当額に対して、月額10万円を上限に4分の3を助成)
1年間の育休期間中、このサポートを継続的に受けることが可能です。12か月分を合計すると、手当に対する助成だけで1,080,000円となります。
2. 業務体制の整備に対しても支給
さらに、育休開始にあたって業務の見直しを行ったり、外部の専門家のアドバイスを受けたりした場合には、別途「業務体制整備経費」が支給されます。
- 専門家(社労士等)を活用した場合:200,000円 (※初めての導入や、しっかりとした体制づくりを行った場合に支給されます。専門家以外の場合は60,000円です。)
3. 1年間の合計受給額
上記のケースでは、1年間で合計 1,280,000円 の助成金が会社に支給される計算となります。
数字の裏側にある「組織への投資」という視点
もちろん、実際に制度を運用する際には、手当の支給に伴う社会保険料の変動や、業務分担による残業時間の変化など、様々な実務上の検討事項があります。また、助成金の対象期間はあくまで「育休期間(産後休業から引き続き育児休業を取得する場合には産後休業も含みます。)」であり、その前の産前期間などは含まれない点にも注意が必要です。
しかし、この助成金を活用して「頑張る従業員にしっかり報いる」という姿勢を仕組み(就業規則)として示すことは、単なる数字以上の価値を生みます。
「仲間の不在をみんなで支え、会社もそれを正当に評価する」
この前向きなメッセージが従業員さんに伝わることで、宮崎で「長く選ばれ続ける会社」としての土台が作られていくのです。
2026年1月現在、取り組むべき準備
助成金の受給には、育休が始まる前の「段取り」が非常に重要です。
- 「手当のルール」を明確にする 就業規則などに、誰が・どのような場合に・いくら手当を受け取れるのかを明文化します。
- 「業務の見える化」を進める 誰がどの業務を引き継ぐのかを整理し、その検討プロセスを記録に残します(実施結果書の作成)。
- 「行動計画」の届出状況を確認する 助成金申請に必須となる「一般事業主行動計画」が最新の状態か、改めてチェックしましょう。
■ さらに詳しく知りたい方はこちら(2026年最新情報)
※本記事は2026年1月時点の情報に基づき執筆しています。助成金の要件や金額は個別のケースや年度によって異なる場合があります。
お子さんの誕生は喜ばしいことなのに「また育児休業か・・・」という言葉が脳裏に浮かんでしまうこともあるかと思います。この助成金を活用して社内の業務体制を整備し、安心して育児休業でき、復帰した従業員が将来は支える側に回ることが出来る環境を作っていきませんか?
「義務だから対応する」のではなく、法改正や助成金を活用して「会社をより良くする」。そんな経営者様の前向きな一手を、当事務所は全力でサポートいたします。
具体的な計算や、就業規則への記載方法でお悩みでしたら、いつでもうと社会保険労務士事務所へご相談ください。宮崎の企業の未来を、一緒に作っていきましょう。